手のひら理論 ― 私たちは誰なのか
まず最初に、この世界の構造を比喩で見てみましょう。
私たちの本質(本来の“私”)は、源(ソース)と呼ばれる意識そのものです。
それは穏やかで、満ちていて、すべてを生み出す存在。それを手のひらと例えます。
一方で、現実世界を体験している“私”――
身体を持ち、思考し、感情を感じる存在は、
その手のひらから伸びた一本の指のようなものです。
指は動き、触れ、感じ、体験しますが、
どんなに離れて見えても、根元では手のひらとつながっています。
この指のことを、ここではアバター(肉体・思考・自我・個人の私)と呼びます。
そして、アバターの動きを記録し、反応や選択を自動で動かしているのが、
潜在意識というプログラムなのです。

1. “私”を動かしているもう一つの意識
私たちは「自分で考えて行動している」と思っていますが、
実際に人生を動かしているのは、ほんの一部の意識だけです。
氷山のように、
見えている意識(顕在意識)は全体の約5%にすぎません。
残りの95%は、無意識の中で膨大な情報を処理している潜在意識が担っています。
つまり──
アバターの人生のほとんどは、無意識のプログラムによって動かされている。
2. 潜在意識とは「アバターの記憶装置」
潜在意識には、
幼少期の体験・感情・信念・人間関係の記録など、
アバターとしての“過去データ”がすべて蓄積されています。
それはあなたの人格や反応パターンを形づくり、
無意識のうちに同じ選択や反応を繰り返させます。
たとえば:
- 「愛されたい」と思っているのに、愛を疑うような言動を取ってしまう。
- 「豊かになりたい」と思っているのに、行動する前に不安で止まる。
これらは、潜在意識の中にある“古い記録”の自動再生です。
つまり、潜在意識はアバターを動かすオートパイロットシステムのようなもの。
3. 潜在意識を書き換えるという考え方
心理学的には、
潜在意識を書き換える=「過去の信じ込みを新しい信念に置き換える」こと。
たとえば、
「私は愛されない」→「私は愛される存在」
「お金は苦労して得る」→「お金は循環する」
これを繰り返すと、
アバターの思考・感情・行動が変化し、現実も動いていきます。
ただし──
この方法はあくまでアバターの中の設定変更であり、
まだ“手のひら(源)”の視点には戻っていません。
4. 潜在意識を観察する“もう一人の私”
書き換えよりも深い変化は、
「アバターの思考や感情を観察しているもう一人の自分」に気づくことから始まります。
怒っている自分を見ている自分。
不安を感じている自分を見つめている自分。
その“見ている側”こそが、手のひら=源の意識です。
この観察者の視点に戻るだけで、
アバターのプログラムは自然に整っていきます。
5. 潜在意識を学ぶ意味
潜在意識を理解するのは、
アバターをより良くするためではなく、
「私はアバター(指)ではなく、手のひら(源)だった」と思い出すため。
地図を知ることは、旅の目的地を明確にすることです。
潜在意識という地図を理解することで、
“意識の旅”の全体像が見えてきます。
6. 次のステップ
Step2では、
潜在意識の性質(時間・区別・感情の扱い)を学び、
アバターがどのように「周波数」を発し、
現実を映し出しているのかを具体的に理解していきます。
それを知ることが、
源の視点に戻るための重要な“俯瞰力”になります。
アバター(指)が体験する現実は、
すべて源(手のひら)が映している意識の投影です。
潜在意識を理解するとは、
アバターを操作することではなく、
“誰がこの体験を見ているのか”を思い出すこと。
あなたは本来、手のひらそのもの。
すべてを包み、感じ、創造している源の意識です。
